台東区の谷中にあるSCAI THE BATHHOUSEに、ICCでも出展していただいているチェ・ウラムさんの「anima machines」展を見に行きました。非常にすばらしい展示でしたので、みなさんもぜひ見に行ってください。インスタレーションとして再現するのはイロイロたいへんそうで、今回は非常に貴重な展示になると思います。
チェ・ウラム「anima machines」
2008年5月27日(火)-6月28日(土)
SCAI THE BATHHOUSE
東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡

ウラムさんは、生物のような印象を与える動く彫刻(機械)を作っているアーティストです。そして、その彫刻に、自分の名前を含む科学的な「学名」を与えて、彫刻を新しい機械生命体として「発見した」というストーリーを描くアーティストです。
物質感の強いむき出しの金属とモーター、センサー、マイクロコンピューターを使って、有機物で構成された生物のような動きを作り出し、鑑賞者に驚きと強い印象を与えます。
過去の作品では主として、この動きと造形に焦点を絞ったものが多かったと思いますが、今回の最新作では、新たに「生物的群集」というテーマにいたったのかもしれません。
新作《Una Lumino》は、100個以上の独立した機械生命体が群を作り、階層的な指示系統を持たないで、互いのシグナル交換だけで全体として、ある秩序だった活動パターンを見せる作品です。これは、数学におけるlife gameやセル・オートマトンに近い概念を想定しているのかもしれません。
単純な造形・動きのモチーフを超えて、生物が持つ社会的なパターンをモチーフにして、「発見」された今回の機械生命体は、やはり見なくてはならない傑作なんだと思います。
中原
チェ・ウラム「anima machines」を見に行きました。
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