坂口安吾「不連続殺人事件」、横溝正史「本陣殺人事件」

最近、創元から出ている日本探偵小説全集を購入しまして、古典的な名作を読んでいます。(近しい方で、好きな人がいたら教えてください。誰かと感想をしゃべりたい。。)
!!以下、内容に関わる記述がありますので、読了されていない方はご遠慮ください。!!
・坂口安吾「不連続殺人事件」
これ、探偵役の巨勢博士が弱すぎじゃないですか?いくらなんでも人が死にすぎだろう(笑)犯人が分かってもみんな死んでるじゃん。遅いよっ!?
私、カッコいい名探偵が好きなので、そのあたりがちょっと。。
肝のトリックは、真っ当で当たり前の「共犯」トリック。ピカ一とあやかの共犯をイメージできれば、あとは無理なく推理が進む。
共犯にいたる動機の整合性を推理するのが面白いタイプの小説なのかもしれません。でも、動機を隠ぺいするために、関係ない人を殺すかね。。。ABC殺人系の「動機隠ぺいのための殺人」はちょっと興ざめします。
・横溝正史「本陣殺人事件」
金田一耕助カッコよかったです。横溝正史の話は、映画化された作品が多いだけあって、やっぱりイマジネーションがすばらしい。血まみれの死体が転がっている場面に和琴の音色と、琴糸トリックって。。日本の怖さと綺麗さが練りこまれたような、ねちっこい文章が良いです。
肝のトリックの部分は、今読むと「so what?」的なナンセンスさだと思います。三郎の行動が一番理解不能です。探偵小説でリアリティを求める気はないのですが、せめて解決部分だけは探偵小説的リアリティを感じさせてほしい、とありきたりの感想を持ってしまった。
とはいえ、場面がありありと脳裏に映る筆力は、やっぱり素晴らしい。映画でも見てみたい。鈴子はきっとすごく可憐に違いない。(最近の映画は小田茜かあ。うーん。)
なかはら


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