ヒューマンインターフェースが広告になってしまった理由について

(以下の文章は筆者を知っている人にしか意味はありません。)
最近、とある昔からの知人から、
「中原くん、なんで君はUIの研究をしたいとかいってたのに、最近は広告制作が多くなっちゃったの?」

と聞かれました。自分にとっては大きな問いでしたので、それに対する答えを書いておきたいと思います。
UI研究から広告制作にシフトした理由は主に3つです。スキルの重複、意図的作業UIの研究的限界、経済的理由です。
先ず、WEBやインタラクティブOOH、インスタレーションの制作は、ターゲットとのインタラクティブなコミュニケーションを意図されます。で、そのための仕組みとしてある種のシステムが構築されるわけです。その現場での作業は、UI研究成果の実践と完全に一致しています。なのでスキルとして、UI研究という分野と近年の広告制作の分野に乖離はほとんどないと思います。
次の理由は、受動的なユーザーの行動を喚起するUI(そもそもこれをUIと呼ぶのか?)は、まだまだ発展途上であることです。一般的なUIの設計では、ユーザーに作業への意図があるのが普通ですが、広告ではユーザーがシステムを利用する強い意図はありません。この意図のないユーザーに対するアプローチというのは、かなり可能性のある未開の分野なのです。
最後の経済的理由は、まあつまらない話です。広告制作はビジネスとして参入障壁がすくないというだけです。けしてこのビジネスモデルに満足しているわけではありませんが、、、。
私は、将来、ユーザーインターフェイスは、どんどんコミュニケーションや、ブランディングという「ill defined」なものに接近してゆくと思っています。それはもはや、実践と普及でもってしか成果を明らかにできないんじゃないかと思っているのです。
中原


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